Ivy Ivy Ivy

ポップカルチャーのブログ

極私的アイドルポップ総括。

どうもこんばんは。ジャン=クロード・ヴァン・ダムです。


冒頭から安易にウケを狙おうとしたこと及び結果的にスベってしまったことを深くお詫び致します。


[asin:B008MADULG:detail]
さて、本題。だいぶ時間が経っちゃったけど、昨年夏に出たMUSIC MAGAZINE増刊「アイドルソング・クロニクル」を読んで、自分なりにアイドルポップを総括してみようかと思ったのが今回の企画であります。
去年の秋にはほぼ書き終わってたんだけど、最後の最後でまとめることができず頓挫。そのままお蔵入りはもったいないなぁと思ってるうちに、YGAとトマパイが続々と解散を発表。さらに今年に入ってAKBが業界を揺るがすレベルで絶賛炎上中。
アイドルを取り巻く状況が穏やかではなくなってきたので慌ててまとめた次第です。


2008年のアイドル事情

僕がアイドルポップを聴くようになったのは、2008年だから5年前。きっかけは当時ヤケクソ気味に始めたブログの企画だった。
この08年のアイドルシーンはどんな状況だったのか?AKB48モーニング娘。を具体例にして簡単に説明してみる。


まずAKBは同年1月にファーストアルバム「SET LIST〜グレイテストソングス 2006-2007〜」をリリースするも、オリコン週間29位と大コケ…。

さらに翌月リリースしたシングル「桜の花びらたち2008」の販売方法を巡って独禁法違反の疑いが掛けられる伝説のトラブルが発生。そもそもテレビCMなどで膨大な広告費を投入していたのに結果は出ない上に、コンプライアンスの問題まで直撃。
結果、当時所属していたソニー傘下のデフスターレコーズとの契約が解除されてしまう(要はクビであります!)。


所属レコード会社を失った為、7月にリリースしたシングル”Baby! Baby! Baby!”は配信のみ。その後、キングレコードに移籍して10月に”大声ダイヤモンド”をドロップ。
ここからAKBの反撃がやっと始まる(改めて振り返るとAKBのV字回復っぷりは異常)。


【資料映像】

当時はこんなことしてました。えぇ、言うまでもなく、炎上しました…(当時のネットニュース記事)。
ただ、実はこの映像ってAKBの良くある典型的な誤解に対する重要なアンサーになってるんだけど、それはまた別の機会に。


一方、モーニング娘。は、同年にリリースした阿久悠の曲を五木ひろし監修でカバーした謎すぎる企画アルバム「COVER YOU」がオリコン週間27位と撃沈…。

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キャバクラの宣材動画ではございません。


追い打ちかけるように、この年で10回連続出場だった紅白歌合戦に落選…。
ちなみに翌09年にリリースしたアルバム「プラチナ 9 DISC」もオリコン週間13位と、もはやトップ10にすら入れないほど人気は凋落していた。
この時期を”プラチナ期”と呼んで、特にライブパフォーマンスを絶賛するファンも多いけど、本当の意味でモー娘。の反撃が始まるのは9期・10期メンバーが加入する2011年まで待つことになる。


【資料映像】

プラチナ期のライヴ映像。とにかく曲が暗い、重い、シリアス…。アイドルにはもっとポップな曲を求める僕はこの時期の娘。に全然コミットできなかったけど、高橋愛は好きというネジ曲がった態度で見てた。


「アイドル戦国時代」の幕開けと定義されることも多い、アイドルグループ7組が出演した「MUSIC JAPAN」がNHKで放送されるのは、もう少し先の2010年。
今振り返ったように、08年の時点でAKBはまだブレイクしてないし、モーニング娘。も苦戦を強いられていた。そう、水面下では新興勢力が出始めるなど地殻変動が起きつつあるものの、まだ「アイドル冬の時代」だった。当時はその後に戦国時代が到来するなんて全く思ってなかった。


そして、極私的には、渋谷系もマッドチェスターもブリットポップグランジオルタナもエアージャムも後追いだったり、ブーム途中で乗り始めた僕が、このアイドル戦国時代だけは唯一リアルタイムでほぼ発火点から今に至るまでを追いかけることができた音楽ムーブメントだったりもする。
とは言え、アイドルポップは毀誉褒貶が多いのも事実。何がそんなに面白いの?って話を今から自分なりに説明してみます。
僕が面白いと思う大きな理由は2つある。


アイドルポップの何が面白いのか?

ポップだけど攻めてる曲が多い。

いつもの話で恐縮だけど、ロックでは未だに「大衆性」(=売れること)と「作家性」(=個性的・先鋭的であること)について、煮え切らないモラトリアムな態度が散見される(この手のアホウがまだいる!)。
でも、アイドルポップには迷いが無い。つーか、そこは最初から克服済みなのだ。なぜか?アイドルとは100%ビジネスだからだ。とにかく売れなきゃ意味がない。


ぶっちゃけ、”アイドル戦国時代”とはAKBを見て「これは金になる!」と思ったオトナたちによる一攫千金を狙ったビジネスが盛り上がってる現象のことである(夢も希望も無い言い方)。
あくまで大衆性の獲得を”前提”にした上で、どうやって作家性を打ち出すか?というアプローチが続けられている。
だから、”ポップだけど攻めてる曲(=大衆的でありながら同時に作家性も持ち合わせている)”が量産されやすい構造がアイドルポップにはある。


とにかく儲けたいのなら大衆性だけ狙ってれば良いんじゃね?アイドルに作家性なんて必要あるの?と疑問に思った人もいるかもしれない。
結論から言えば、戦国時代の今は絶対に必要である。なぜなら、作家性こそが他のアイドルグループと差別化して戦う武器(ウリ)になるからだ。大衆性”だけ”を狙うと、没個性的になって競争の激しい市場では何も刺さらない。
だから、各グループが自分たちの武器を見つけようと、手始めにあらゆる音楽ジャンルをアイドルポップとして喰い尽くしている。ロック、ギターポップ、パンク、ヒップホップ、テクノ、スクリーモ、演歌…。
遂にはモーニング娘。ダブステップに手を出すぐらいカオティックな状況になってきてる。


ここまで来ると、もう残ってるジャンルがない。あとはもう前衛音楽と称して、全裸で「死ね!死ね!死ね!」と叫びながら鉄板を棒で叩きまくるパフォーマンスくらいしかないと思う。



モーニング娘。meetsダブステップ



アップアップガールズ(仮)アメリカを席巻中のEDMを取り入れた超攻撃な曲をドロップ。



インドネシア発祥の高速ダンスチューン“Funkot”を取り入れた9nineの攻め曲。ホント何でもアリだと思わされる。


ちなみにAKB及び関連グループだけは保守的な曲が大半なんだけど、それでも一部には攻めてる曲もある。

これで攻めてるの?と言われたら、ぐぬぬっと答える。でも、ボカロっぽくて面白いじゃないか。なぁ、そうだろ!(読者との距離感がおかしくなった管理人)
本題とは逸れるけど、乃木坂の美人度は臨界点を超えてる。「AKBはブスばっかり」とか言ってる人は乃木坂を前にしても言えんのかコラ!
突然、読者を恫喝して申し訳ございませんでした。以後気をつけます。


ここで重要なのが、傀儡(操り人形的な)音楽であるアイドルポップの作家性とは、アイドル自身の内面的な自我や問題意識とは基本的に直結しないってこと。そりゃそうだ。アイドル自身は基本的に曲を作らない。
では、アイドルポップの大衆性と作家性のバランスは誰がどのような基準によって決定してるのか?身も蓋もないけど、それは市場原理に基づいた運営サイドの判断ということになる。
さぁ、いつものように管理人が悪徳商法セミナー講師っぽくなってきましたよ。


繰り返すけど、アイドルは”ビジネス”として始まる。一部の地下アイドルを除けば、表現したい女の子たちが自発的にグループを結成して、インディペンデントに活動するという方法はされてない。
芸能事務所やレコード会社の事業企画として、スカウトやらオーディションによって女の子たちは集められ、アイドルポップは最初からプロデュースされた”商品”として市場に送り込まれる。
市場では没個性的でも、逆に個性的すぎてマニアックになっても売れないから、売上が最大化できる(と運営が考える)均衡点でバランスが取られる。
なんて書くと簡単そうだけど、実際は「何が正解なのか分からない」未来予測のような作業である。
だから、アイドルポップはコンペで職業作家から曲を大量に集めて選んだり、予測精度を可能な限り上げようと努力をする。


これが上述の”ポップだけど攻めてる曲”が量産されやすい構造である。
例えば、ロックだとアーティストのインタビューで「今回のセールスが落ちるのも覚悟で好きに作らせてもらった」みたいな発言がたまにあるけど、アイドルでそれは許されない。作家性が大衆性を上回っても誰も得をしないからだ。
もちろん、運営の判断がどーかしてて、バランスが崩れまくった事故みたいなケースも出てくるけど(それはそれで楽しいが)、それはここでの本質ではない。
ここで言いたいのは、アイドルポップは、表現者個人の才能よりもまずビジネスであることが、表現の多様性や強度を担保してるということだ。
かつて渋谷陽一は”産業ロック”という言葉で、商業的成功を目的化したロックを批判したけど、アイドルポップは”産業ポップ”だからこそ面白いのだ!


批評的である。

上述の「ポップだけど攻めてる曲が多い」と連動してる話なんだけど、これ説明するのがちょっと難しい…。
洋楽(特にロック)を聴く人は分かると思うけど、まず「自分の音楽がどんな文脈にあるのか?(音楽史的にどんな影響で作られたのか?)」を示すことに対して、海外のアーティストは意識的なことが多い。あえて分かるように同じ文脈にあるアーティストの曲を引用をしたり、自分の立ち位置を明確にしてリスナーの共感を得ようとする。


例えば、オアシスの”Don't Look Back in Anger”のイントロが”イマジン”の引用だったり、途中でジョン・レノンを想起させる歌詞があるのとかもそう(逆に言えば、リスナーにも一定の音楽的な知識があることが前提になってる)。洋楽ではカバー曲が多いのも同じ理由からだと僕は思ってる。
つまり、今新たに曲を作るということは、「既に鳴らされた音楽を更新することである」という自覚が強い。だから、引用と言っても単なるパクリではなく、解釈があるから”批評”が生まれる。


日本でもかつての”渋谷系”は、まさに批評的な音楽ムーブメントだったけど、アイドル戦国時代はそれに匹敵する。
要は「あのアーティストのあの曲みたいな感じ」「あの時代のあのリズム感」みたいな文脈的なイメージがまず先にあって、それをただマネるのではなく、独自の解釈と批評を加えて曲を作ってる感じ。
例えば、戦国時代以前にもハロプロの第二期タンポポはUKギターロックからの影響がモロに出てたし、Buno!の”ロッタラ ロッタラ”なんてツェッペリンからスペシャルズまでサンプリング的に引用されてる。
こういう曲は、自分がこれまで聴いてきた音楽と重ねることで「まさかアレをこんな形でぶっ込んでくるとは!」と元ネタと合わせて重層的に楽しむことができる。
いろんなジャンルの音楽を聴いてきた人が最後にアイドルポップへたどり着くケースって良くあるみたいだけど、その理由もこの辺にあるような気がする。



当時リアルタイムで聴いてなかったことを猛省した。YouTubeのコメント欄にジョージ・ハリスン、バッドフィンガー、ELOなんて単語が出てるのが象徴的。



ツェッペリンの”Whole Lotta Love”が曲タイトル「ロッタラ」の語源。イントロはSPECIALSの” (Dawning of a) New Era”で、途中のリフはツェッペリンの”Black Dog”そのまんま。


ただし、こうしたアプローチってやり過ぎると「分かる人だけが分かる」スノッブな音楽になる危険性がある。でも、そうなったら売れなくなる。売れないと予め分かっててリリースされるアイドルポップなどあり得ない。
だから、スノッブにならないギリギリのレベルで抑制される。これが教科書にも載っている商業音楽の”神の見えざる手”である(話を盛り始めた管理人)。
ちなみに、この”文脈と批評性”については、日本を含めた海外のポップミュージックの歴史を数十年単位で研究してるとも言われるK-POPの方がさらに徹底されてる気がする。



1950年代にアメリカで広がったドゥーワップを現在のアイドルポップとして見事に鳴らしてる。


言い訳のようなもの

と、ここまで読んで違和感を感じた人も少なからずいると思う。「アイドルだって与えられた曲を表現する為には悩みや苦労があるはず。そうした自我が作品の強度にも繋がってるのでは?」とか「ロックだって少なくともメジャーレーベルでやってる場合は、レコード会社のディレクションも入るだろうし、売る為に凄い努力してるよ!」とか。
もちろん、そこを否定するつもりは全然なくて、織り込み済み。
例えば、でんぱ組の”W.W.D”はメンバーの実体験を元に歌詞が作られてて、傀儡性からはみ出した自我とリアリティがロックリスナーからも共感を呼んでいる。結果的にアイドルポップとしてもエポックメイキングな曲になったと思う。



個別的にはいろんなケースがあって、全てを「アイドルポップは〜」と単純化できない。なので、今から言い訳を開始します。
今回はアイドルポップの魅力をサブカル文脈や物語で批評するのではなく、あくまで商業音楽という”構造”で批評する試みをやってみたかった。
だから、このテキストにはヒャダインつんく♂の名前も出てこない。圧倒的な個人の才能よりもビジネスというフレームがあるからこそ魅力的になる可能性として、商業音楽のアーキテクチャみたいに論じたかった。
んで、結果的に少し失敗しちゃったけど、これはこれで興味深いサムシングがあるだろうと思って公開した(ダイヤモンド☆ユカイふう)。


あと、この”個人より枠組み”って在り方は、そのまま”AKBとシステム”にも当てはまることなので、AKB論は負の側面も含めていつかちゃんと書きたいと思っております。
ちなみに、言うまでもなく本テキストは「だからアイドルポップが一番面白いんだー!」と他ジャンルへの優位性が言いたかった訳ではない。断じてない。絶対ない。ダメ。ゼッタイ。覚醒剤
全ての音楽はフラットであるべきというのが僕の思想信条であります。



おまけ「私が選ぶこの10曲」

アイドルソング・クロニクル」の冒頭で成瀬心美タワレコ社長が10曲選ぶ同名のコーナーがあるので、自分でやってみます。しかし、10曲はキツい…。Youtubeに音源が無かったり、同じグループ・派閥(ハロプロ・AKB)になるべく偏らないようにしたので、SKEから選べなかったのが悔やまれる…。

アイドリング!!! / ”モテ期のうた”


アイドルポップは面白い!と本気で思ったのがアイドリング!!!の1stアルバムで、特にこの曲は衝撃的だった。
ユーモアのある歌詞とハウスのアンセム感が合体したような怪作。ももクロよりずっと早くこんな曲を歌ってたのは再評価されるべき!
ちなみにAKBアイドリング!!!という2009年に行われたAKBとアイドリング!!!のコラボ企画(今では黒歴史とも言われる)では、AKBがカバーしてる。


THE ポッシボー / ”主食 = GOHANの唄”


初めて聴いた時にイスから落ちそうになった。ひたすらご飯の魅力を訴えかけ続ける歌詞。そんな歌詞にしては異常なほど強烈に美しくてポップなメロディー。
誰がなんと言おうと自分内では大名曲!しかし、こんな曲を歌ってて売れる訳がなく、ポッシボーは長らく低迷することになる…。


AKB48 / ”涙サプライズ!


転調が多い典型的な井上ヨシマサ曲。AKBの楽曲については不満を持つことも多いけど、この曲の学園モノPVも含めた多幸感はハンパない。
曲名にある「サプライズ」という単語が今思えば象徴的。その後、サプライズの為に注射を打ち過ぎて、現在AKBはコントロール不能な危険集団と化してしまった…。


Tomato n'Pine / ”ジングルガール上位時代


何回聴いたか分からないくらい好きな曲。女の子視点のキュートな歌詞と、何よりも安心と信頼のagehaspringsによる高品質サウンド。パーフェクト!でも、アルバムは全く売れなかった…。そして、あっけなく解散…。トマパイの敗因は楽曲ではなくマーティングにある。。


東京女子流 / ”鼓動の秘密”


低年齢アイドルはさすがに抵抗感があって避けてたんだけど、女子流だけは別。女子流だけはガチ。
松井寛ワークのブラックミュージック・テイストな楽曲とレベルの高いダンスパフォーマンスの融合したこのPVを観た瞬間に好きになってしまった。


BiS 新生アイドル研究会 / ”IDOL”


BiSのやり方にはいろいろと思うところもあるけど、さすがにここまでやられたら支持せざるを得ない。もはやアイドルというよりバンド。アイドルポップなのにスクリーモという時点で狂ってる。
これぞバランスが崩れまくった事故みたいな曲。


Cutie Pai / ”ミュージック・ランデヴー”


戦国時代の幕開け前の08年。当時リリースされたCutie Paiのアルバムは本当に驚かされた。どこの事務所にも属さずに曲も自分たちで作ってるアイドルがいると知っただけでも驚いたけど、その曲が同時代のエレクトロと共鳴してたこと(Space Cowboyの”Across the Sky”が元ネタの曲とかもある)にさらに驚かされた。
惜しむらくは、この後、メンバーの脱退が相次いだり目立った活動が少なくなってること。楽曲派として完全復活を待っております!


℃-ute / "Danceでバコーン!”


我が℃-uteの代表曲であり、聴くと「うどんが食べたくなる」ことでも有名。彼女たちの楽曲はPVではなく、ライヴ映像で観て欲しい。これぞライヴ職人。そう、℃-uteは観たままが全て。
だから、なかなか売れないのであります…。


スマイレージ / ”あすはデートなのに、今すぐ声が聞きたい


初期スマイレージは”可能性”に満ちあふれていた。ハロプロが戦国時代の対抗戦要因として送り込んだ最強の4人。楽曲も良曲ばかりで、特にこれはタンポポ路線の神曲
そう、絶対に輝かしい未来が待ってると思ってた…。
今のスマイレージも頑張ってるし、それでも諦めない初期メンの2人にはグッとくるけど、でもあの頃のスマイレージには二度と戻れないと思うと…(以下、省略)。


ももいろクローバーZ / ”サンタさん”


ヒャダインの才気が最も炸裂したのはこの曲じゃないかと。1曲を通じて、多幸感をまき散らしながら最初から最後までハイテンションを維持しんたまま突き抜けるドーピングみたいな曲。
Z以降のももクロは狙いすぎてちょっと違和感を感じることもあるけど、こんな曲がもっと聴きたい。



という訳で、長々とお付き合い頂きありがとうございました。
次回はもう2月だけど、2012年ベストアルバムでございます。早く更新しないとヤバい!