Ivy Ivy Ivy

ポップカルチャーのブログ

The 52 best albums of 2017

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photo credit: Jacob Whittaker Sindy meets the Dollybeats via photopin (license)

前説

どうもこんばんは。うどんが主食です。
いや、まいったね。上半期と整合性がつかない…。上半期にあれだけアメリカ音楽シーンの活況とか言っておきながら、この年間ベストでは洋楽が占める割合が7割から6割へと下がって、さらに10位以内は8枚が邦楽…。


こんなこと言うと「生意気だな」って思われるかもしれないけど、やっぱり読んだ人にとって新しい音楽の発見があったり、何か面白いと思えるフックがないと年間ベストをやる意味がないと思ってて。
その意味で2017年は途中から自分の好みの変化と(特に洋楽の)音楽シーンとが上手くリンクできなかった。
だから「コレが入ってるのに、なぜアレが入ってないの?」みたいなツッコミがたくさん入ると思うけど、そのツッコミしろも年間ベストの面白さだと開き直ります。


毎年恒例の「今年は豊作だったのか?」問題について。ざっくり言うと、突き抜けた作品が少ない年だったと思う。
1〜5位くらいまでは殿堂入りだけど、他は横並びでテープ入りって感じ。何言ってるか分からないって人もいるでしょうけど、思っちゃったんだからしょうがない。


あと、今週気づいたこと。「年間ベストアルバムって若い人は興味なくね?」。ツイッターとかで年間ベストで検索してみると、洋楽も聴くベテランリスナーが多くて、例えばフェスが好きな大学生が選ぶ邦ロック中心の年間ベストとかありそうでなかなか見つからない。


”アートの洪水”と言われるほど、音楽だけでなくドラマや映画も溢れまくってるストリーミング時代に「”年間”で”アルバム”を振り返る」という行為にどれだけ意味があるのか?僕もよく分からなくなってきてる…。


洪水状態だからこそ、年間ベストという”まとめ”が必要な気もするけど、そうした音楽シーンの今を切り取る役割は、Spotifyのバイラルチャートだったり、フェスという現場へと移行してきてると思う。
それと、これだけ消費のサイクルが早くなると「いちいち立ち止まって振り返る」という行為自体をかったるく感じる人も増えてくるような気もする。


なんかネガティブな空気になってきたけど、こうやってアルバムを並べることで見えてくる景色みたいのはまだ少しはあるとは思ってる。とりわけ1位はバチボコにカッコ良いアルバムなので、もっともっと多くの人に聴かれて欲しい、斯様に思います。


という訳で、分からない人にとってはサイコボックス行きなテキストを書いてしまったけど、僕は読者のことを家族だと思ってるんで、分かってくれると信じてます。

The 52 best albums of 2017

【No.52】
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【No.51】
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【No.50】
[asin:B0756567FZ:detail]

【No.49】
[asin:B01NBF5VNO:detail]

【No.48】
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【No.47】
[asin:B073WY67H4:detail]

【No.46】

END OF THE SUMMER

END OF THE SUMMER

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【No.45】
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【No.44】
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【No.43】
[asin:B075DFF3PN:detail]

【No.42】

Antisocialites

Antisocialites

  • アーティスト:Alvvays
  • Polyvinyl Records
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【No.41】

【No.40】
[asin:B01MXERTDF:detail]

【No.39】

Gone Now

Gone Now

Amazon

【No.38】
[asin:B06XCGG76Z:detail]

【No.37】
[asin:B076JD3MVG:detail]

【No.36】
[asin:B071JBW7DS:detail]

【No.35】

Pollinator

Pollinator

  • アーティスト:Blondie
  • Bmg Rights Managemen
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【No.34】
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【No.33】
[asin:B0712437LG:detail]

【No.32】

Navigatorthe

Navigatorthe

Amazon

【No.31】
[asin:B0753Q77DT:detail]

【No.30】
[asin:B074Z7KTXW:detail]

【No.29】
[asin:B06XJ55MF9:detail]

【No.28】
[asin:B01M6W3LQG:detail]

【No.27】
[asin:B06XTK75S8:detail]

【No.26】
[asin:B0742K679V:detail]

【No.25】

Ti Amo

Ti Amo

Amazon

【No.24】

ハング

ハング

Amazon

【No.23】

【No.22】
[asin:B075SZQLRV:detail]

【No.21】

柳都芸妓

柳都芸妓

  • アーティスト:RYUTist
  • PENGUIN DISC
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【No.20】

SHISHAMO 4

SHISHAMO 4

  • アーティスト:SHISHAMO
  • GOOD CREATORS RECORDS / UNIVERSAL SIGMA
Amazon

【No.19】
[asin:B0716MKHFK:detail]

【No.18】
[asin:B074824S2L:detail]

【No.17】
[asin:B01N5HY3X0:detail]

【No.16】

【No.15】
[asin:B071LJJYCR:detail]

【No.14】

More Life

More Life

Amazon

【No.13】

PINK※CDのみ

PINK※CDのみ

  • アーティスト:CHAI
  • OTEMOYAN record
Amazon

【No.12】
[asin:B074WM465Y:detail]

【No.11】

【No.10】
[asin:B075V6DKCG:detail]

【No.9】
[asin:B071VRQQTW:detail]

【No.8】

So Sophisticated

So Sophisticated

Amazon

【No.7】
[asin:B01N81CNRO:detail]

【No.6】
[asin:B06XVVN7CP:detail]

【No.5】
[asin:B073PD9KM9:detail]

【No.4】
[asin:B06ZZ49LM7:detail]

【No.3】

Friends Again

Friends Again

Amazon

【No.2】

【No.1】

Mobb Life

Mobb Life

Amazon


後説

basement-times.com
nihongo-rap.com

2017年の日本はラップが主役の年だった。それをハッキリと伝える意味も含めて1位をBAD HOPにした。
今のラップブームは言うまでもなく2015年から始まった「フリースタイルダンジョ」によるMCバトルが牽引している。
その結果、「バトルは好きだけど、音源は聴かない」という若いラップファンも増え始めてて、バトルと音源の分離が起きてるのも事実。


ただ、2017年はバトルブームが維持されたまま「フリースタイルダンジョン」のモンスターたちがDungeon MonstersとしてMステに出演したり、個々のメンバーもT-PABLOWが所属するBAD HOPは初の全国流通盤で傑作をモノにしたり、番組の顔的存在だったR-指定とDJ松永によるCreepy Nuts(リトルトゥース)がメジャーデビューしたりと、ダンジョン出身のラッパーが音源への橋渡し役を担った。


一方でバトルとは無関係のPUNPEEやゆるふわギャングのアルバムがふだんラップをあまり聴かないリスナーにも届いたり、FEBB(最初聴いた時はラップが下手だなとか思ってすみませんでした…。聴けば聴くほどハマった)以外にも同じくFla$hBackSのJJJ、KANDYTOWNのIO、フィメールではちゃんみな、あっこゴリラら若手が充実した作品を続々とリリースした。


さらに中堅以上でもSALU、SKY-HI、上半期ベストに入れたBES、再始動したKICK THE CAN CREWの新作もあって日本語ラップは話題が尽きない1年だった(NORIKIYOはまだ聴けてないっす。あと、最近のライムスターはちょっと…)。

HIKARI

HIKARI

  • アーティスト:JJJ
  • AWDR/LR2
Amazon
Mood Blue

Mood Blue

  • アーティスト:IO
  • P-VINE RECORDS / BCDMG / KANDYTOWN LIFE
Amazon
[asin:B075X3PM2L:detail]
THE KISS OF LIFE

THE KISS OF LIFE

  • アーティスト:BES
  • ILL LOUNGE
Amazon
ちなみにSALUはミックステープ「BIS3」の方がオリジナルアルバムよりも良かった。


BAD HOPは刷り込まれた日本的(J-POP的)な感覚を”内なるJ”と呼んで、レコーディングで徹底的に排除しながら作ったという話が好き。
面白いのは、そこまでして日本的な感覚を排除しつつも、結果的に海外のトレンドに同期しながら日本人にしか作れないアルバムになってること。よく言われるように海外の音楽性そのままなら洋楽を聴けば良い訳で、彼らなりの解釈がちゃんと見えるのが良い。
日本におけるロックが”邦ロック”と呼ばれ始めて以降、開き直るかのように海外文化を参照することを捨て去って、内なるJだらけになってしまったのとは対照的に感じる。


それにしても、この5年近くの国内におけるポップミュージックで興味深い動きのあったシーンが、アイドルポップ→東京インディー→日本語ラップへと変遷してるのは面白い。


そんな訳で個人的に2017年はラップに傾倒気味だったんだけど、ところが海外のラップ(特に大人気のKendrick Lamar、Future、Migos、Young Thugあたり)にはそこまでハマらなかった。前説の「自分の好みの変化と(特に洋楽の)音楽シーンとが上手くリンクできなかった」というのはまさにこのこと。自分が情報に追い付いてない面もあるので、2018年はもうちょっと掘り下げていくつもり。
遂にコーチェラのヘッドライナーからロック枠が消えたり、この流れは当面続くだろうし。


以上、ミーハーにわかラップリスナーが選ぶ年間ベストアルバムでした。